残業代請求を大幅(1000万円以上)に減額した事例


※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

依頼者飲食業

相手方の主張 弁護士のサポートの結果
残業代として約1200万円の請求 約150万円の支払い

 

状況

接客業相手方Aは、X社の経営する飲食店Mの運営を任されていました。

X社とAは業務委託契約を締結しており、飲食店での運営方針や人事関連の事柄などは相手方Aに任されていたのです。

報酬に関しても、業務委託契約で定められた定額が支払われていました。

飲食店Mの経営状況は、当初は順調であったものの、徐々に経営も苦しくなっていきました。

そうしたとろ、相手方Aが飲食店Mの業務を辞めさせてほしいとX社に申し出てきたのです。

相手方AとX社は話し合いを行い、最終的には相手方Aとの業務委託契約を終了することとなりました。

業務委託契約が終了してから数カ月経過した頃、X社に相手方Aから残業代約1200万円の請求がなされたのです。

突然の請求にX社の経営陣も驚きましたが、X社は、相手方Aとは雇用関係にはなく、残業代は支払う必要はないと回答しました。

そうしたところ、相手方Aから労働審判の申立がなされたのです。

X社の経営陣も、裁判所からの通知が来たので不安になり、当事務所に相談に来られました。

 

 

弁護士の関わり


弁護士において申立書を確認すると、相手方Aは、X社と相手方Aは雇用関係にあって労働基準法が適用されるので、X社は残業代を支払わなければならないこと等が記載されており、相手方Aは寝る間も惜しんで働いていたこと等が記載されていました。

弁護士の見立てでは、相手方Aの主張していることが全く不当とは言い切れず、一定額をX社が支払わなければならない可能性がありました。

しかし、可能な限り金額を抑えるためにも下記の争点について、最善の証拠と主張をすべく弁護士は準備を開始しました

労働審判の争点としては、

相手方AとX社は雇用関係にあったのか
②雇用関係にあったとしても相手方は管理監督者に該当するのか
③相手方Aの主張する労働時間は正しいのか

という3点が争点になると考えられました。

そこで、弁護士は、X社の経営陣から、上記の3点について会社にとって有利となる事情がないかを丁寧に事情聴取し、有利な事情の根拠となる証拠を準備しました。

相手方AとX社に雇用関係が認められるか否かを判断するためのポイント
契約をするときにどのようなやりとりが交わされて契約が成立したかがポイントの1つとなります。
この点については、弁護士は、契約に至るまでの経緯を知っている人から話を聴取し陳述書として証拠化する作業を行いました。
また、相手方Aが主張している労働時間については、当時、一緒に働いていた従業員の話を聞いて陳述書を作成し、相手方Aの主張の矛盾点を整理する作業を行いました。

こうした作業に加えて、その他X社に有利となる証拠を裁判所に提出し、その証拠に基づき、X社は相手方Aに対して一切残業代を支払う必要がない旨を主張しました。

労働審判は、当事者とその代理人である弁護士及び裁判官、労働審判員が一堂に会して実施されます。

労働審判では、原則、期日は最大でも3回しか開かれません。

ケースによっては1回の期日で終了することもあります。

したがって、第1回目の期日が非常に重要なのです。

本件でも第1回期日までにすべての証拠を提出しています。

労働審判について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

第1回期日では、裁判官から当事者に事実関係に関する質問が多く聞かれます。

弁護士は、X社の経営陣が説明しづらい部分は代わりに説明し、また、経営陣の説明が不足している場合には、補足して説明するなどのサポートを行いました。

さらに、X社側の主張が正当であることを裁判所に強く主張しました。

そうしたところ、裁判官や労働審判員も、X社側の主張に理解を示し、相当額の減額を受け入れるよう相手方Aを説得してくれました。

その結果、最終的には、X社が相手方Aに対して約150万円を支払うことで和解することができたのです。

 

 

補足説明

残業代請求事件は、会社側は反論することが難しいケースが多いです。

労働時間が法定労働時間を超えていれば、当然、会社は残業代を支払わなければならないので、従業員が労働時間をある程度正確に証明した場合には、反論の余地がないのです。

六法全書しかし、本件では、そもそも、相手方Aに労働基準法(以下「労基法」といいます。)が適用されるのか疑問がありました。

仮に、相手方Aが業務委託契約に基づいて働いている個人事業主であると認められれば、X社は残業代を払う必要はなくなるのです。

また、仮に労基法が適用される労働者であったとしても、「管理監督者」に該当すれば、残業代を支払う必要がなくなるのですが、相手方Aは管理監督者に該当する可能性もありました。

(※管理監督者とは、簡単に説明すると、経営にも携わっていて、賃金も相当額支払いを受けており、労働時間についても自分で決定できるような人のことです。)

さらに、相手方Aの主張する労働時間についても誇張して主張されている部分がありました。

このように、本事例では反論が可能な部分が多くあったため、大幅な減額が可能となりました。

従業員から、残業代請求がなされた場合には一定額を支払う覚悟をすることは必要です。

もっとも、本事例のように適切な反論をすることで減額することができる場合もあります。

従業員から残業代の請求がなされた場合には、専門の弁護士に相談されることをお勧めします。

 

 

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