賃金交渉

賃下げの制限

先行きが見えない不況の影響で、経営者の方々から「従業員の賃金を減らしたい」「人件費を抑えたい」という
ご相談をいただくことが非常に多くなってきています。

会社を存続させるために悩みぬいた末の苦渋の決断であり、大変心苦しことでしょう。

しかしながら、会社が勝手に従業員の基本給や諸手当の額を減らすことは基本的に許されません。
賃金は労働契約における重要な労働条件です。

会社が勝手に従業員の基本給や諸手当の額を減らすことは原則として許されません。
 

賃金減額の諸類型

賃金を下げる方法としては以下のようなものがあります。

①個々の労働者との合意
②人事考課に基づく減額査定、降格
③人事権に基づく配置転換に伴う減給
④就業規則による賃金制度の変更や変更解約告知
⑤懲戒処分としての減給、降格
 
 

個々の労働者との合意による賃下げ

従業員が合意さえしていれば、賃下げはできると考えられている経営者の方は多いと思われます。
しかし、賃金の減額という不利益を、従業員が自ら甘受するのは、特別な事情がある場合です。

そのため、既発生の賃金の放棄についてはもちろんのこと、将来の賃金の減額に関する
同意についても、それが従業員の自由な意思に基づいてされたものであると
認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在することが必要です。
 
合理的な理由とは、以下のような点を踏まえる必要があります。

●労働者の受ける不利益の程度
●賃下げを変更する必要性
●労働者との話し合い・交渉の経緯、状況
●賃下げを避けるためにした実施した行為
 
したがって、従業員が減額された賃金を受領していた程度の事実では、多くの場合、
自由な意思による合意があったと認められないでしょう(東京高判丙2.12.27等)。
 
 

就業規則による賃金制度の変更

労働条件は、使用者と労働者の契約により決定されますが(労契法3条)、退職金や賞与といった個々の事項について
合意がなければ、合意のない部分については、周知された就業規則が労働条件となります(労契法7条)。
 
この周知された就業規則は労・使の双方を法的に拘束し、
使用者が勝手(労働者の不利益)に変更することはできません。


そして、裁判所は、例外的に、変更に合理性がある場合に限って
変更後の就業規則が労働条件となると判断してきました。
 
労働契約法10条は、この判例法を成文化したもので、「就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、
労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の
就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき」、労働契約の内容である労働条件は、
当該変更後の就業規則に定めるところによるものとしています。

ただし、変更手続きが労基法の定める手続を履行していないときは無効となります(労契法11条)。
 
これまでの裁判例から合理性の具体的な判断要素としては次のものがあげられます。

●労働者の受ける不利益の程度
●就業規則変更の必要性の内容、程度
●変更後の就業規則の内容自体の相当性、代償措置その他関連する労働条件の改善状況
●労働組合等との交渉の経緯
●賃下げに対する我が国社会の一般的状況

上記の諸事情を総合考慮した上で、合理性の有無が判断されます。
 
 

専門家に相談しましょう

賃金交渉は非常にデリケートな問題です。

賃金交渉を機に使用者と労働者の関係が一気に悪化し、同時に経営も悪化していった例も少なくありません。
そうなってしまっては、元も子もありません。

したがって、双方のダメージを最小限に抑えるためには、
労働諸法に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。


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