労基署からの指導票と是正勧告書の違いはありますか?


労基署対応についてよくある相談Q&A

質問 社長労基署から指導票を受け取りました。是正勧告書と何か違いはありますか?

 

Answer

弁護士西村裕一イラスト指導票とは、労働法令に対する違反とまではいえないものの、改善することが望ましい事項について、労働基準監督官が交付する書面です。その点で、違反の事実を前提とした是正勧告書と性質が異なっています

 

指導票とは

勧告書 イメージ指導票とは、労働基準監督官による定期監督や申告監督、災害時監督などにより、労働法令に違反する事実は確認できないものの、改善することが望ましい事項について作成される書面です。

したがって、労働法令に対する違反が確認された場合に作成される是正勧告書とは性質が異なっています。

この指導書は、労基署の労働技官(産業安全専門官、労働衛生専門官)が事業場を訪れ、労働衛生面についての指導を行った場合にも交付されることがあります。なお、労働技官には、是正勧告書を作成、交付する権限は認められていません。

 

 

指導票への対応

このように、指導票は是正勧告書以上に効力的にはそれほど強いものではありません。しかしながら、下図のとおり、この指導票についても、指摘された事項の改善状況について、報告をしなければなりません

報告を怠った場合には、改善状況の確認のために、再度労働基準監督官の調査がなされる可能性もあるため、対応が必要です。

指導票

指 導 票

平成○年○月○日

○○株式会社

代表取締役 ○○ 殿

 

○○労働基準監督署

労働基準監督官○○   印

 

貴事業場における下記事項について、改善措置をとられるよう指導いたします。なお、改善の状況については、平成○年○月○日までに報告してください。

 

指導事項

1 貴事業場で勤務する労働者の時間外労働時間数が月間80時間を超える者が見受けられるため、これを月間80時間以内へ削減するように努めること。

2 貴事業場で勤務する労働者の時間外労働時間数が月間80時間を超えている労働者に対し、医師等による面接指導等の必要な措置を実施するように努めること。

 

受領年月日、受領者 平成○年○月○日

○○   印

()枚のうち()枚目

 

 

長時間労働に関する指導の状況

深夜の仕事この点に関し、労基署は、長時間労働に伴う過労死などの問題を受け、長時間労働に対する調査を徹底しています。地方労働行政運営方針でも、長時間労働に対する監督について、ここ数年は毎年言及しています。

平成27年4月から同年12月までの間には合計8530の事業場に対して、臨検監督が行われており、その結果も公表されています(下図)。

これによれば、違法な時間外労働があったとして是正勧告を受けた事業場は、4790事業場であり、全体の56.2%に上ります。

また、健康障害防止に関する指導がなされた事業場は6971事業場に上っており、実に全体の81.7%に及んでいます。

厚生労働省は、今回の結果の公表に際して、特に月100時間を超える残業が疑われる事業場などに対する監督指導等の徹底を図ると言及しており、現時点で該当している事業場は早急な対策が必要です。

長時間労働に対する是正勧告、指導の状況(平成27年4月〜同年12月)

是正勧告

監督指導の実施事業場数 8530事業場
違法な時間外労働があったもの 4790事業場(56.2%)
時間外労働の実績が最も長い労働者の時間数が1か月当たり

100時間を超えるもの

2860事業場
150時間を超えるもの 595事業場
200時間を超えるもの 120事業場
250時間を超えるもの 27事業場
賃金不払残業があったもの 813事業場(9.5%)
月100時間を超えるもの 362事業場
過重労働に対する健康障害防止措置が未実施のもの 1272事業場(14.9%)

指導票

過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの 6971事業場(81.7%)
内、時間外労働を月80時間以内に削減するよう指導したもの 5167事業場
労働時間の把握方法が不適切なため指導したもの 1558事業場(18.3%)
内、時間外労働の最も長い労働者の時間数が月100時間を超えているもの 477事業場

このように、指導票は是正勧告書以上に労働基準監督官より交付されているケースが多いのが実情です。

指導票を受けた場合には、今後も定期的に監督がなされ、是正勧告の対象となる可能性もあるため、制度設計など適切に対応する必要があります。

したがって、労働問題に注力する弁護士のサポートを受けることをおすすめします。

プロの労働弁護士はここが違う!当事務所の労基署対応サポート

当事務所の企業法務部・労働事件チームは、企業の労務問題に関する様々なお悩みを解決するために、以下のサポートを行っています。

 

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当事務所では、弁護士の専門特化を第1の行動指針としています。

これは、多種多様な法律問題について、一人の弁護士が幅広く何でも対応するというスタンスでは、クライアントに対して十分なサービスが提供できないからです。

当事務所の労働事件チームは、労働法を注力分野とする弁護士のみで構成されており、労務問題について高度なリーガルサービスを提供しています。

また、労基署対応のように刑事事件に発展する可能性がある場合、当事務所の刑事事件チームと連携し、両チームが一体となってサポートします。

なお、労基署対応等の労働問題については、初回無料で法律相談を受け付けております。

 

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裁判や弁護士労働問題は、顕在化しているトラブルに対処することだけで解決とはなりません。

例えば、労基署対応であれば、是正勧告書の作成などで対処することが可能です。

しかし、より重要なのは、その問題発生の原因を特定し、課題を洗い出し、今後の再発防止に努めることです。

そのため、当事務所の労働事件チームは、例えば、雇用契約書や就業規則等の各種規定の診断や改訂等を行います。

また、人事制度の見直しや働き方の改革をもサポートしています。

さらに、労基署対応であれば、必要に応じて、労基署調査時の立会や労基監督官との交渉も行っています。

そのため、当事務所では、単発での依頼よりも、継続的なサポート(顧問サービス)をご希望される企業や社労士の方が多い傾向です。

労基署対応は、対応を誤ると刑事事件にも発展しかねないデリケートな問題です。

まずは当事務所の労働事件チームまで、お気軽にご相談ください。

ご相談の流れについてはこちらをごらんください。
 


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