申告監督ではどのような点が調査の対象となっていますか?


労基署対応についてよくある相談Q&A

Answer

弁護士本村安宏申告監督は、定期監督と違って、当該事業場で働く労働者からの申告を受けて調査がなされます。したがって、労働者の関心事である未払賃金に関する調査が多いのが特徴です。

 

申告監督とは

サラリーマン申告監督とは、労基署の臨検監督のうち、実際に事業場で就労する労働者からの個別の相談・申告を受けて、労働基準監督官が調査を行うものです。

そのため、定期監督と異なり、労基署に具体的な労働法令違反の疑われる案件が持ち込まれるというのが特徴で、労基署も相応の労力を用いて調査を行っています。

基本的には、労働基準監督署が事業場を訪問する形での調査になり、抜き打ち調査の可能性も定期監督に比べ高くなります。

 

 

労働者からの相談・申告

厚生労働省は、各都道府県の労働局や労基署といった全国380か所に総合労働相談コーナーを設置しています。

この総合労働相談コーナーでは、解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、募集・採用、いじめ・嫌がらせ、パワハラなどのあらゆる分野の労働問題を対象としています。

相談対象は労使双方を受け付けていますが、基本的には労働者側の相談が多数を占めています。

そして、労働者からの相談の中で、労働基準法等の法律に違反の疑いがある場合は、行政指導等の権限を持つ担当部署に取り次ぐことになるとされており、これがまさに申告監督の端緒(きっかけ)になるわけです。

また、労働基準法104条1項は、事業場に同法に違反する事実がある場合において、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができるという規定も設けています。

これは刑事分野の告訴、告発に似た制度に当たります。

なお、申告監督について、どの事業場を調査対象にするかは、あくまで調査権限を有している労働基準監督官に委ねられています。

その意味では、労働者からの相談・申告はあったが、調査はしないということもあり得ます。

しかしながら、個別の具体的な相談・申告があっているため、申告を受けた労働基準監督官は、当該労働者に事業場の調査状況や事業場の意向を適宜伝える役割も果たしています。

そのため、労働者からの相談がなされた事案の多くは、調査対象として、調査を進めているのが実情です。

労働者の相談事項としては、自身の生活に直結しやすい賃金に関するものや解雇や雇止めといった雇用そのものについてが多くなっています。

 

 

申告労働者の不利益取扱いの禁止

解説する弁護士のイメージイラスト申告監督は上述のように内部告発の性質があります。そのため、使用者の中には、労基署へ相談・申告を行った労働者を不当に取り扱ったり、場合によっては解雇や雇止めを行って、雇用を打ち切るなどの行動に出たりするおそれがあります。

こうした内部告発者が不当に取り扱われないようにするため、労働基準法は、使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならないと定めています(労基法104条2項)。

そして、この規定に違反して、申告した労働者に不利益取扱いを行った事業者には、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科せられるとされており(労基法109条1号)、労基署の調査に応じない場合と異なり、懲役刑を選択できる点で、より重い違反と捉えていることがわかります。

申告監督の場合は、個別の従業員との間で労働問題に発展するケースが多く、定期監督以上に弁護士によるサポートが必要です。

企業法務チーム当事務所では、労働問題を専門とした弁護士が対応しておりますので、まずはご相談ください。

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