事業場外のみなし労働時間制


これは、従業員が事業場外で業務に従事している場合で、労働時間を算定しにくいときに所定労働時間だけ労働したものとみなす制度です(労基法38条の2)。

このみなし制は、取材記者、外勤営業職員などの常態的な事業場外労働だけでなく、出張等の臨時的な事業場外労働も対象となります。また、労働時間の全部を事業場外で労働する場合だけでなく、その一部を事業場外で労働する場合も含みます。

事業場外労働が、1日の所定労働時間帯の一部を用いて(または一部にくいこんで)なされる限りは、1日の所定労働時間だけ労働したこととみなされます(下図参照)。

minashi0001.pngこの制度を導入するには、就業規則にその旨を定める必要があります。ただし、みなし労働時間が所定労働時間を超える場合には、「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」について、労使協定を締結しなければなりません。

また、この「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」が法定労働時間(1日8時間)を超える場合には、その協定届を労働基準監督署に届け出なければなりません。この場合には、いわゆる36協定を締結し、労働基準監督署に届け出なければならないことに注意してください。なお、36協定による届出に付記して届け出る方法でも大丈夫です(労基則24条の2第4項)。

 

 

ポイント

解説する弁護士のイメージイラストこの制度は、「労働時間を算定しがたいとき」に限定されます。

裁判例では、事業場外である展覧会での展示販売のケースについて、業務に従事する場所、時間が限定されていること、上司である支店長等が展示場に赴いていること等から、「労働時間を算定しがたいとき」こ該当しないと判断したものがあります(東京地判平9.8.1労判722-62)

したがって、この制度を導入するには、当該事業場外労働が「会社から具体的な指揮命令を受けていない」ことが必要となります。具体的には、携帯電話で上司から指揮命令を受けている場合などは、該当しないと判断されます。

このように、この制度の導入には注意しなければならない点があるため、労働諸法に詳しい専門家にご相談されることが必要でしょう。

 

 


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