請負や派遣等の場合にも安全配慮義務を負うか?


解説する弁護士のイメージイラスト安全配慮義務は、労働契約関係にない者との間にも認められる場合があります。

つまり、安全配慮義務は、単に労働契約上の義務であるだけでなく、広く「特別の社会的接触関係」にある当事者間における義務であると構成されています(最三小判昭和50年2月25日)。

 

過去の裁判例

①元請企業と下請企業従業員(元請企業の下請企業従業員に対する安全配慮義務)

例:最一小判平成3年4月11日、神戸地判昭和59年7月20日

被告会社造船所の下請工等として当該造船所の敷地内で、騒音を伴う船舶の建造作業等に従事していた労働者が、被告会社より耳栓の支給が遅れたり必ずしも十分に支給されなかった結果、騒音性難聴に罹患したとして、被告会社に安全配慮義務違反が認められた事例

②派遣先企業と派遣労働者(派遣先企業の派遣労働者に対する安全配慮義務)

例:東京高判平成21年7月28日

勤務会社から派遣されて派遣先の指導監督の下、深夜交代制でクリーンルーム内での半導体製造装置の検査業務に従事していた労働者が、過重な労働等による肉体的及び精神的負担によって罹患したうつ病により自殺したとして勤務会社と派遣先会社に安全配慮義務違反が認められた事例

③親会社と子会社労働者(親会社の子会社労働者に対する安全配慮義務)

例:長野地判昭和61年6月27日

石綿製品の製造作業に従事していた従業員がじん肺(石綿肺)に罹患したことについて、事実上、親会社から労務提供の場所、設備、器具類の提供を受け、かつ親会社から直接指導監督を受けて、子会社が組織的、外形的に親会社の一部門のような密接な関係を有していた等として、親会社に安全配慮義務違反が認められた事例

 

というように直接的な雇用関係がない者に対する安全配慮義務を認めた事案もあります。

 

 

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