労働者がうつ病等になった場合に賠償義務を負うか?メンタルヘルス問題


守るイメージ画像労働者の心身の健康面への配慮も使用者の安全配慮義務の内容に含まれます。

労働者の健康とは、身体的健康、精神的健康の両方をいいます。近年、心身の健康への関心がますます高まってきており、健康配慮義務の重要性は高まってきています。

身体的健康、精神的健康について問題となった過去の裁判例を紹介します。

 

身体的健康について

<東京高判平成11年7月28日>

労働者が過労により脳出血で死亡した事案において、使用者は「労働時間、休憩時間、休日、休憩場所等について適正な労働条件を確保し、さらに、健康診断を実施した上、労働者の年齢、健康状態等に応じて従事する作業時間及び内容の軽減、就労場所の変更等適切な措置を採るべき義務を負う」という一般論を述べて、高血圧症の労働者に対して業務の軽減措置等を講じなかったことに安全配慮義務違反があるとしました。

 

 

精神的健康について

<最判平成12年3月24日>

労働者が過重な長時間労働に従事したことによって精神疾患を患い、その後自殺した事案において、「使用者は、その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負う」と判示して精神的健康についての安全配慮義務を認めました。

なお、この事件では、労働者の長時間労働によるうつ病の発症の結果、自殺したという一連の流れについて因果関係が認められました。かつ、上司らが、労働者が日常的に著しい長時間労働をしていること及びその健康状態が悪化していることを認識しながら、その負担を軽減するような措置をとらなかったとして、安全配慮義務違反を認めました。

このように、安全配慮義務の内容は、労働者の心身の健康面への配慮も含まれる等広がりを見せています。

したがいまして、安全配慮義務の内容について判断に迷われた場合は労働問題にくわしい弁護士へご相談ください。

 

 

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