労基署とは?業務の内容を弁護士が解説!



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弁護士西村裕一労基署(労働基準監督署)では、企業に対して労働条件をはじめとする労働問題について、調査や監督を行い、労働関係法令の違反を是正指導し、重大・悪質な事案の場合、送検するなどの業務を行っています。

したがって、企業としては労基署の調査や指導については、適切に対応することが必要です。

労基署とは

解説する弁護士のイメージイラスト労基署とは、正式名称を労働基準監督署といいます。

この労基署は、労働問題を所管する厚生労働省が管轄する行政機関の一つになります。

経営者や企業の人事担当者の方も「労基署」という言葉自体は聞いたことがある方がほとんどだと思います。

しかしながら、実際に労基署がどのような業務を行っているのか、その業務を行う根拠はどこにあるのかといった点までは把握されていないと思います。

したがって、実際に労基署の職員が企業の現場に来たり、労基署から書面が届いたりすると、どう対処したらよいかわからないということになってしまいます。

そこで、以下では、まず労基署に関する法律を解説していきます。

 

労基署をめぐる法律

先ほど説明したとおり、労基署は行政機関です。

そのため、具体的にどのような業務を行う権限があるかということは、まずは法律に規定があります。

この点、厚生労働省設置法という法律があります。

この法律では、労基署の名称や位置、管轄する区域、所掌事務及び内部組織については、具体的に厚生労働省令で定めると規定しています(厚生労働省設置法22条2項)。

そして、この法律を受けて、政令である厚生労働省組織規則で、労基署が担当する業務(所掌事務)について、以下のように規定しています(厚生労働省組織規則790条)。

労基署の所掌事務
  1. ① 労働契約、賃金の支払、最低賃金、労働時間、休息、災害補償その他の労働条件に関すること。
  2. ② 労働能率の増進に関すること。
  3. ③ 児童の使用の禁止に関すること。
  4. ④ 産業安全(鉱山における保安を除く。)に関すること。
  5. ⑤ 労働衛生に関すること(労働者についてのじん肺管理区分の決定に関することを含み、鉱山における通気及び災害時の救護に関することを除く。)。
  6. ⑥ 労働基準監督官が司法警察員として行う職務に関すること。
  7. ⑦ 政府が管掌する労働者災害補償保険事業に関すること。
  8. ⑧ 労働者の保護に関すること。
  9. ⑨ 家内労働者の福祉の増進に関すること。
  10. ⑩ 技能実習法に規定する労働基準監督官の職権の行使に関すること。
  11. ⑪ 前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき労働基準監督署に属させられた事務に関すること。

 

 

労基署の主な業務

労基署は、法令に基づいて、上記の所掌事務を行うことになっています。

具体的にどのような業務があるかについて、主なものを解説していきます。

 

労働契約、賃金の支払、最低賃金、労働時間、休息、災害補償その他の労働条件に関すること

ここで定められている事項が労基署のメイン業務になります。

すなわち、未払残業代の問題は「賃金の支払」に該当しますし、時給が妥当なものかどうかは「最低賃金」に該当します。

また、残業、長時間労働については「労働時間」の問題、労災の問題は「災害補償」として、労基署が対応することができる業務になります。

もっとも、労基署としては、労働法令違反の有無を取り締まり、最終的には警察と同じ権限を行使することが認められているため、最低賃金割れや36協定を締結せずに残業をさせているといった、違反の事実が明白に確認できる事項を主に取り扱っているのが実情です。

例えば、セクハラやパワハラといったハラスメントについては、評価を伴うこともあり、違反が明白といえるケースがそれほど多いとはいえないため、それほど積極的には権限を行使していないと見受けられます。

ハラスメントや解雇や退職をめぐるトラブルについては、労働基準監督署の敷地内にある、厚生労働省が管轄する労働局の総合労働相談コーナーで対応しており、その中で解雇予告手当を払っていないなど、明らかな労基法違反に限って、労働局と連携して、労基署が調査をしているという形をとっています。

このように、労基署は「労働関係に関する警察」という位置づけでイメージするのがわかりやすいかと思います。

 

政府が管掌する労働者災害補償保険事業に関すること

労基署のメイン業務の一つが労災手続です。

具体的には、「労災課」という課を設け、労災に該当するかどうか、該当するとしてどのような支給を行うか、労災の後遺障害に該当するかどうかといった調査を行っています。

したがって、ハラスメント自体については、先ほど解説した労働局が相談窓口となっていますが、ハラスメントを理由に労災申請がなされると労基署がこの規定に基づいて、調査に動くということになります。

 

 

労基署対応が求められたら

就業規則の届出や36協定の届出といった形式的なやり取りを除くと、企業が労基署と関わるというのは、労働法令違反の問題が発生していないかの調査や労災申請がなされた場合ということになります。

先ほど解説したとおり、労基署は「労働関係に関する警察」ですので、適切に対応をしなければ、悪質だとして強制調査や送検され刑事処分を受けるリスクがあります。

したがって、企業に労基署対応が求められる場合には、専門家である弁護士に早めに相談して、適切に対応する必要があります。

デイライト法律事務所の労働事件チームの弁護士は、使用者側を専門としており、企業を強力にサポートしています。

具体的には、弁護士が労基署との連絡窓口になったり、調査に同席したり、労基署へ提出する書類の作成、チェックをしたりすることが可能です。

労基署対応について、お困りの企業は、まずはお気軽に弁護士にご相談ください。

 

 


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