有給休暇について


有給休暇のイメージ画像使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければなりません(法定休日 労基法35①)。

現在は、週休二日制を採用している会社が多いですが、これは、会社が雇用契約に基づき、労働者に所定の休日を与えたものです(これを「所定休日」といいます。)。

労基法は、この雇用契約に基づく所定休日以外にも、労働者から請求があった場合、年間一定日数以上の「休暇」を与えなければならないと規定しています(労基法39)。

そして、その休暇となった日については、一定の賃金を支払うことが義務付けられています。

そこで、この休暇は、「有給休暇」と呼ばれています。

 

有給休暇が付与される労働者

有給休暇はすべての労働者に与えなければならないというものではありません。

以下の①②の要件を満たす労働者に該当する場合、与えなければなりません。

 

①勤務開始の日から6か月間継続して勤務していること

この「6か月間継続して勤務」するとは、6か月間途切れることなく在籍することであり、出勤を続けることではありません。また、定年後再雇用の場合、定年までの勤務がこれに繰り入れられるので、再雇用開始から6か月の経過を待つ必要はありません。

 

②全労働日の8割以上を出勤すること

「8割以上の出勤」には、次の期間は出勤したとみなされます。
・業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業した期間
・育児休業、介護休業した期間
・産前産後の休業した期間

注意点

いわゆる短時間労働者(パートタイマー)や管理監督者などは、年次有給休暇の対象とならないと誤解されていることがあります。しかし、上記の要件を満たせば、短時間労働者や管理監督者であっても、年次有給休暇を付与しなければなりません。

 

 

年次有給休暇の付与日数

通常の労働者(パートタイマー以外)の場合

通常の労働者に与えなければならない年次有給休暇の日数は、次の表のとおりです。

勤続年数 6カ月 1年6カ月 2年6カ月 3年6カ月 4年6カ月 5年6カ月 6年6カ月以上
有給日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

 

パートタイマーの場合

パートタイマー(短時間労働者)に与えなければならない年次有給休暇の日数は、次の表のとおりです。

雇入れの日から起算した継続勤務期間の区分に応ずる年次有給休暇の日数
週所定労働
時間
所定労働
日数
6カ月 1年6カ月 2年6カ月 3年6カ月 4年6カ月 5年6カ月 6年6カ月
以上
30時間以上 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日
30時間未満 5日
4日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

上表のとおり、週の所定労働日数が5日の場合、通常の労働者と同じ有給休暇を与えなければなりません。

 

 

有給休暇の請求

有給休暇を使用する場合、労働者は休暇を取得したい日、期間を特定して使用者に請求すれば足ります。取得理由については、特に記載しなくても構いません。有給休暇をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さない労働者の自由ですから、労働者は年休を取得する際、その使途を具申する必要はありません。有給休暇の取得届の様式は、こちらをどうぞ

もっとも、合理的な範囲内で、事前に届出を行うよう就業規則等で義務付けることは問題ないと思われます。有給休暇の請求があった場合、事業場の正常な運営を妨げる場合を除き、労働者の請求した通りの日を休暇としなければなりません。

 

 

有給休暇の時季変更

ゴールデンウィークのイメージ画像上記のように、有給休暇の請求があっても、「事業場の正常な運営を妨げる場合」、使用者は労働者から請求のあった有給休暇を別の日にするよう変更を命じることができます。この場合、特に使用者から別の日を指定する必要はなく、労働者は変更された以外の日で再度自由に休暇日を指定できます。

この「事業場の正常な運営を妨げる場合」とは、当該労働者の年休取得日の労働がその者の従事する業務組織の運営にとって不可欠であり、かつ代替要員を確保するのが困難である場合をいいますが、人員不足のために代替要員の確保が困難であるような場合はこれには当たりません。

なお、退職予定者が「退職予定日の前に、残りの有給休暇を全部消化したい。」と申し出てくることがあります。このときは、もはや時季変更することは不可能となります。

 

 

有給取得と不利益取り扱い

使用者は、有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取り扱いをしないようにしなければなりません(労基法137)。ここで、有給取得者に対する精皆勤手当、昇給などにおける不利益措置が問題となります。

この不利益措置について、判例は、当該措置の趣旨、目的、労働者が失う経済的利益の程度、有給取得に対する事実上の抑止力の強弱等諸般の事情を総合して判断しています。

たとえば、精皆勤手当や賞与の計算上、有給取得日を欠勤扱いとすることは、違法と解されます。また、昇給・昇格などの処遇において、有休取得を理由に不利益な取り扱いをすることも違法となるでしょう。

 

 

有給休暇の有効期限(時効)

時間のイメージ画像有給休暇を取る権利は、権利が発生した日から2年以内に使わないと、時効により消滅します。有給休暇権は順次時効により消滅してしまうので、前年度からの繰越分の休暇権をもつ労働者から出された有給休暇の申請については、本人から明確な申出がなくとも前年度分の休暇使用として取り扱うべきです。

 

 

有給休暇の買い上げ

有給休暇の買上げを予約し、予約された日数について有給取得を認めないことは、有給の保障(労基法39)に反するため認められません。しかし、有給休暇が結果として使用されずに残ってしまい、時効消滅する有給休暇を買い取ることはできます。

 

 

計画年休

スケジュールのイメージ画像休暇の使用は原則として個人の自由に任されています。しかし、日本の労働環境は、上司や同僚の目を気にして休暇が取得しにくいといわれています。

そこで、有給取得を促すために、あらかじめ計画的に、職場でいっせいに、または交代で休暇を使用する制度として、この計画年休があります。

計画年休について詳しくは、こちらからどうぞ

 

 

時間単位の有給休暇制度

年次有給休暇の消化を促進するため、労基法を改正し、時間単位での付与が可能となっています(平成22年4月試行)。

この制度を導入するためには、労使協定の締結が必要です。

時間単位の有給休暇制度について詳しくは、こちらからどうぞ

 

 

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