定額残業制


これは、例えば、多くの残業時間が発生しているが、毎月の残業代計算が煩雑であるので残業代を定額としたい場合、法所定の割増賃金に代えて一定額の手当を支払う制度です。

この定額残業制については、裁判例上、次の要件を満たす必要があると考えられます。

①通常の賃金部分と時間外・深夜割増賃金部分が明確に区別できること

②込みとなる時間を超えるときは、不足分を支払う合意がなされていること
(最判平6.6.13高知県観光事件、東京地62.1.30小里機材事件、最判昭63.7.14他)

 

 

ポイント

解説する弁護士のイメージイラストこの制度を実際に導入する場合は、給与の中に残業を何時間分含めているか、そして、含められている残業時間を超えて働いたときは、残業代を別途支払う旨就業規則・雇入通知書に記載しておくべきです。

この点をしっかりと押さえていないと、後々残業代を請求された場合、大変な事態となります。

具体例で説明しましょう。

 

Aさん:基本給(月給)は30万円、所定労働時間は月160時間

会社が毎月の残業代の計算が面倒だからといって、毎月残業代込みの給料としてAさんに40万円を支給していたところ、後日、Aさんから残業代を請求された場合

計算式のイメージイラスト上記要件を満たしていなければ、残業代計算の基礎となる賃金は、30万円ではなく40万円となります。
残業時間が月60時間で2年分請求された場合は、以下のように算出されます。
残業代計算の基礎となる賃金の1時間あたりの単価:40万円÷160時間=2500円
1か月あたりの残業代(時間外手当のみ):2500円×1.25×60時間=18万7500円
2年分の残業代:18万7500円×24=450万円

このような事態を防止するために、就業規則等には次のような記載が考えられます。

「記載例」

賃金は次のとおりとする。
月給40万円(42時間分の時間外手当9万8448円を含む。)
ただし、残業時間が月42時間を超えた場合、別途時間外手当を支払うものとする。

 

 


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