外国人従業員が労働保険未加入の場合、労基署は調査しますか?

執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士・入国管理局申請取次者


解説する弁護士のイメージイラスト外国人従業員に労働保険に加入させていませんでしたが、労基署の調査対象となりますか?

 

Answer

弁護士森内公彦イラスト外国人従業員であっても、労働保険には原則として加入させなければならないため、労基署の調査対象となる可能性があります。

 

労働保険

保険加入労働保険は、労働者災害補償保険(労災保険)雇用保険の2つの保険を指します。

労災保険は、業務災害や通勤災害によって労働者が負傷等した場合に、被災労働者やその遺族に対して補償をすることを目的とする保険です。

雇用保険は、失業した場合等に労働者の生活保護等を目的とする保険です。

企業は、1人でも労働者を雇用している場合にはこの保険に加入する義務があります。そして、外国人も「労働者」である以上、原則として労働保険に加入させなければなりません。

 

 

労災保険

外国人労災保険は強行的な労働保護法の一種として、適法な就労か否かを問わずに外国人にも適用されます。

例えば、オーバーステイの外国人(不法滞在)のように在留資格を有しない違法な就労をしている外国人であっても、職場での指揮命令下で就労している場合には、適用対象となります。

 

 

雇用保険

雇用保険についても、適法な就労に限定しているわけではありません。

もっとも、外国人雇用状況届出義務(事業主が、新たに外国人を雇い入れた場合、または離職した場合に、その者の在留資格、在留期間等の事項について確認し、当該事項を厚生労働大臣に届出をしなければならないこと。雇用対策法第28条)があるため、実質的に雇用保険に加入することはできなくなっています。

外国人が雇用保険適用の対象とならないのは、当該外国人が日本の企業とではなく外国の企業との雇用関係がある場合で、賃金の全額を外国企業から受け取っている場合です。日本の企業から支払われる賃金がなく、雇用保険の計算ができないことから対象とはなりません。

また、外国の失業補償制度に加入している場合や外国公務員の場合は、雇用保険加入の適用除外となります。失業時の補償を日本で行わなくてもよいためです。

解説図

労働保険については、未加入問題等様々な問題が起こりえます。とりわけ外国人は多いです。

こうした場合は、労働問題に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

 

 


その他
   
執筆者
弁護士 西村裕一

弁護士法人デイライト法律事務所 北九州オフィス所長、パートナー弁護士

所属 / 福岡県弁護士会

保有資格 / 弁護士・入国管理局申請取次者

専門領域 / 法人分野:労務問題、外国人雇用トラブル、景品表示法問題 注力業種:小売業関連 個人分野:交通事故問題  

実績紹介 / 福岡県屈指の弁護士数を誇るデイライト法律事務所のパートナー弁護士であり、北九州オフィスの所長を務める。労働問題を中心に、多くの企業の顧問弁護士としてビジネスのサポートを行っている。労働問題以外には、商標や景表法をめぐる問題や顧客のクレーム対応に積極的に取り組んでいる。



  企業の方の相談は初回無料 WEB予約はこちら