外国人労働者の求人活動

掲載日:2020年1月24日|最終更新日:2020年1月24日

外国人労働者を採用する場合、日本人労働者を採用する場合と同じく、求人情報を公開し、外国人労働者を募集していることを発信することから始めます。

このとき、どのような形で募集するかに応じて、大きく分けて3つの方法が考えられます。

  • ① 日本に住んでいる外国人(留学生や身分に基づいて日本で生活している外国人、他の日本企業で勤務している外国人など)を採用する
  • ② 海外に住んでいる外国人を日本へ呼び寄せ、採用する
  • ③ 技能実習制度を利用し、技能実習生を採用する

以下では、それぞれの方法に応じて、求人活動についてみていきます。

日本に住んでいる外国人を採用する場合

会議日本人を採用する場合に、企業が利用するツールとしては、ハローワークといった公的な職業紹介機関やリクルート、indeedなどをはじめとする求人媒体が考えられます。

外国人の中でも、身分に基づいて日本で生活している外国人であれば、比較的日本での生活期間が長い人も多いため、日本人と全く同じツールを利用しても応募があることも考えられます。

また、大学の近辺などでは、留学生が多く住んでいるため、アルバイトとしてであれば、アルバイト紹介雑誌などに掲載すれば、自然と外国人が集まってくる可能性があります。

最近では、コンビニエンスストアで、外国人留学生のアルバイト生が多く、実際に接客してもらったことがあるという人も多いのではないでしょうか。

その意味では、外国人を採用する場合でも、日本人を採用する場合と全く同じ方法で、応募があり採用に至るということもあり得ます。

しかしながら、外国人を正社員として採用したいという場合には、日本人向けのハローワークや求人媒体だけでは十分な母集団を形成することができず、優秀な人材を集めることは難しくなってきます。そこで、以下の方法での募集を検討していくことになります。

 

外国人雇用サービスセンター

厚生労働省は、ハローワーク事業の外国人向けのサービスとして、外国人雇用サービスセンターを運営しています。

ここでは、外国人留学生に対して、留学生向けの就職ガイダンスやインターンシップの支援、就職面接会の実施、留学生に対する職業相談・職業紹介などの支援を行っています。

したがって、新卒の外国人を獲得し、長期的な人材として、採用を検討している企業であれば、ここに求人情報を提供することが考えられます。

外国人雇用サービスセンターの所在は以下のとおりです。

外国人雇用サービスセンターの所在

東京外国人雇用サービスセンター
東京都新宿区西新宿2−7—1小田急第一生命ビル21階
TEL 03−5339−8625

名古屋外国人雇用サービスセンター
名古屋市中区栄4−1−1中日ビル12階
TEL 052−264−1901

大阪外国人雇用サービスセンター
大阪市北区角田町8−47阪急グランドビル16階
TEL 06−7709−9465

福岡学生職業センター(福岡新卒応援ハローワーク)
福岡市中央区天神1−4−2エルガーラオフィスビル12階
TEL 092−714−1556

 

 

外国新聞、ポータルサイト

従業員日本に住んでいる外国人は、母国の情報を仕入れるために外国新聞を購読していることがあります。

したがって、募集したい国の新聞に求人情報を掲載するという方法も母集団を形成する一つの方策です。

また、現在では、Japan Times JobsやNINJA、Gaijin Pot Jobsといった外国人向けの求人情報提供サイトも多く存在しています。

企業としては、こうした外国人向けのポータルサイトに求人情報を掲載することも積極的に検討すべきでしょう。

 

人材紹介会社

日本人向けでも人材紹介会社が多数存在していますが、ここ数年の外国人労働者の増加を受けて、ポータルサイトと同じく、外国人の人材紹介会社も多くなってきています。

そこで、企業としては、こうした人材紹介会社に依頼をすることで、優秀な外国人を採用するという方法も選択肢になってきます。

もっとも、こうした人材紹介会社は、費用が比較的かかってしまいます。

例えば、人材紹介会社を通じて、外国人労働者を採用することができたが、わずか1か月ほどでやめてしまったというような場合でも、マッチングは成功している以上、人材紹介会社には報酬の全額を支払わなければならないということも起こりえます。

これでは、費用だけかかって長期的な人材が獲得できなかったということになってしまいます。

そこで、企業としては、契約前にどの国の人材紹介を得意としているのか、また、どういった業種を対象にサービスを提供しているのか、そして、その実績はどの程度あるのかといった点をしっかりと確認してから契約をする必要があります。

また、報酬の条件についても、契約書の規定を締結前にしっかり確認して、トラブルを防ぐことが寛容です。

この場合に、専門家である弁護士に契約書のチェックを依頼するということも検討します。

 

SNS

パソコンとスマホ比較的若い年齢層の人は、FacebookといったSNSを利用していることが多い傾向にあります。

したがって、Facebookに求人広告を出したり、LinkedINというビジネス系のSNSサービスを利用するという方法も効果的です。

なお、中国人の場合には、母国でFacebookの利用ができません。そのため、WE CHAT(微信)を利用している中国人が日本でも非常に多いのが実情です。

したがって、中国人を採用したい場合には、こうしたSNSの使い分けも必要になってきます。

 

自社サイト

パソコンやスマートフォンの急速な普及により、企業も自社でホームページを作成していることが多くなっています。

そこで、自社のホームページを募集したい国の言語に対応できるように整備し、そこに求人情報を掲載することが考えられます。

また、例えば、「中国人 採用」、「ベトナム人 求人」などの検索ワードに対して、リスティング広告をかけるといった対策も一つの方法です。

 

インターンシップや口コミ

勉強会のイメージ画像日本人の大学生向けにも企業はインターンシップを実施し、インターン生を受け入れていますが、外国人の場合にもインターンシップを導入するということが考えられます。

インターンシップを実施することで、早い段階から母集団を形成することができるだけでなく、インターンシップを経験した外国人が友人や後輩の留学生などにその情報を共有し、口コミで求人情報が広がっていくという効果が期待できます。

いくら外国人労働者が増えてきたといっても、外国人労働者はマイノリティーであることには変わりありません。

こうしたマイノリティーのコミュニティでは、集団の結束力が強く、口コミが貴重な情報源として大きな影響力を発揮します。

安定的な人材確保を継続するためには、インターンシップの導入は前向きに検討すべき施策といえます。

 

 

海外に住んでいる外国人を日本に呼び寄せる場合

海外に住んでいる外国人を日本で新たに採用するために、呼び寄せるというケースも外国人労働者の採用手段としてはあり得ます。

日本で生活している外国人を採用するよりも一般的にはハードルが高いと考えられます。

もっとも、例えば、すでに海外ビジネスを実際にしている企業であれば、取引先の企業や関係者や現地の弁護士をはじめとした士業を通じて、優秀な人材と出会ったり、紹介してもらったりすることがあるでしょう。

先ほど紹介したように、中国人をはじめ外国人は転職について、ネガティブなものではなくポジティブなものとして、プラスに捉えています。

したがって、ヘッドハンティングなどのチャンスは海外でアンテナを張ってビジネスをしていれば十分にあると考えられます。

こうした、いわゆる人脈による求人活動はこの種の採用の場合には非常に効果的です。

また、現地の人材紹介会社を通じて、一定の母集団を形成してもらい、企業の担当者が現地で説明会や面接を開催するということも方法としてはあり得ます。

中国人はもちろん、ベトナムなどの東南アジア諸国の外国人は、日本の治安のよさや給料の高さを魅力に感じて、日本企業に対してプラスのイメージをもっていることが多いです。

そのため、自社だけでは母集団を形成することができなくても、現地の企業にコーディネートしてもらうことで採用活動を円滑に進めることができる可能性があります。

ただし、この場合、日本で人材紹介会社を利用する場合と同じく、人材紹介会社を見極めることが非常に重要になってきます。

人材紹介会社との契約が渉外契約になりますので、日本で利用する場合以上にトラブルになるリスクが一定程度あるといえます。

しかも、採用活動が現地の国(海外)となりますので、準拠法は海外の法律、裁判管轄も海外になるのが通常です。

外国人労働者の法律について詳しくはこちらをごらんください。

 

弁護士イメージ画像したがって、現地の弁護士(Lawyer、中国では律師)に契約書をチェックしてもらうなどの対応を取るのがよいでしょう。

なお、中国では、日本以上に企業の信用調査が必要であると考えられています。

日本でも、取引を新しく始める場合に東京商工リサーチといったリサーチ会社から対象企業のデータを取得して、一定の信用調査を行うこともありますが、全ての取引で行うほど一般的な手順とまで普及しているわけではありません。

しかしながら、中国の企業は、実態のない企業などが多く存在しています。そこで、事前の企業調査の必要性が高いといえます。

士業からリサーチ会社を紹介してもらったり、自社で「国家企业信用信息公示系統」というサイトで企業名を入力して確認したりという対応が必要です。

また、日本人が出張や海外転勤をきっかけとして、中国に長年住み続け、いわゆる現地通として、コンサルティングと称して高額の報酬を請求しているというケースもあったりします。

やはり、企業の側でしっかりと見極めをしていきながら現地採用を考えなければなりません。

また、いくら優秀な人材だといっても、その時点では海外に住んでいるわけですので、日本での就労ビザをもっていません。

そのため、採用しようと考えている人材が就労ビザを取れる見込みがあるのかどうかというチェックも欠かせない作業になります

4年生大学卒業や同一職種で10年以上の経験があるかどうかなど、要件は決して低くはありません。

あらかじめ、卒業証明書や詳細な職務経歴書、現地での免許、資格証明書などの客観的な資料の提出を求める必要があります。

加えて、日本語の能力が日本に実際に生活している外国人に比べると不十分なことも多くあります。

そのため、採用するに当たっては、日本語の教育も事前に必要になる可能性もあることを押さえておくべきでしょう。

正式な就労ビザを取得するのは時間がかかるため、採用の前にまずは一度短期滞在のビザで日本を訪問してもらい、企業案内はもちろん、日本の主要都市を見て回ってもらうということも有効になります。

短期滞在のビザでも、報酬を伴わない商談や打ち合わせといった活動は可能です。

 

短期滞在の資格について

上述のとおり、典型的には観光を目的として利用される短期滞在の在留資格ですが、ビジネスの目的で利用することも可能です。

ただし、この場合、短期滞在で入国した外国人は報酬を得ることができませんので、企業も給与を渡すことはできません。

アルバイトをさせて、給与を渡してしまうと不法就労助長罪が成立してしまうのでくれぐれも注意が必要です。

なお、滞在中の旅費や交通費といった実費を企業が負担することはここでいう報酬には当たらないとされているので、問題ありません。

時間経過もっとも、短期滞在は90日以内という日数制限があります。

通常の就労ビザよりも期間の短い期間の滞在だからこそ、「短期」滞在なのです。

それでは、90日以内であれば、何度でも日本と海外を行き来できるかというと、そうではありません。

具体例を挙げると、平成30年1月1日に80日間、短期滞在のビザで日本に滞在し、一旦帰国し、その後同年4月1日に、再度80日間短期滞在のビザで日本に滞在し、再度帰国、そして、また同年7月1日に短期滞在のビザで日本に来日するといった具合です。

この例では、それぞれの滞在は90日以内に収まっているので、問題がないように思われます。

しかしながら、明らかに「短期滞在」の趣旨には反しています。

そこで、1年間の間で、半年に相当する180日間日本に滞在した過去がある場合には、短期滞在のビザで日本に入国することができなくなります。

これを180日ルールといいます。

商談などを理由に頻繁に日本と海外を出入りしなければならないケースもないわけではありません。

例えば、海外製品を日本の工場に仕入れて利用していた場合に、当該製品が故障してメンテナンスをしてもらう必要が生じるなどが考えられます。

特に導入当初はコーディング作業などで一定期間の滞在が予定されています。

くれぐれも180日ルールをオーバーしてしまって、再入国ができないといったことがないように日本での滞在実績について、日本企業の側でも気をつけておくことが必要です。

 

 

技能実習生を採用する場合

技能実習生を受け入れる方法には、企業単独型と団体管理型の2種類がありますが、企業単体型は、日本の企業が海外の現地法人・合弁企業または一定の密接な関係を有する機関から外国人を受け入れるというもので、大企業やすでに海外展開を多数行っているグローバル企業といった一部の企業しか利用できないものです。

したがって、技能実習生を受け入れたいと考える企業の大多数は、団体管理型のスキームを利用して技能実習生を受け入れることになります。

団体管理型では商工会議所などの非営利の管理団体がまず技能実習生を受け入れ、そこから各企業へ送り出され、実際に技能実習を行っていきます。

技能実習生の採用を考えている企業としては、まずは技能実習生を受け入れている管理団体を探すところから活動が始まります。

管理団体の情報については、外国人技能実習機構が随時許可を受けている管理団体のリストを公表しています。

平成30年12月27日現在、一般管理事業の管理団体は1065団体、特定管理事業の管理団体は1359団体が許可を受けています。

外国人技能実習機構のリストでは、その団体が受け入れをしている国の記載もあるため、企業が採用したいと考えている国の外国人を受け入れている団体にアプローチをしていくことになります。

一般管理事業と特定管理事業の違いは、3号の技能実習管理を行うことができるかどうかの違いです。

すなわち、一般管理事業の方では1号から3号までの技能実習管理が可能であるのに対し、特定管理事業の方では1号及び2号の技能実習管理しか行うことができません。

3号の技能実習は、3年間の技能実習が終了した後にさらに最大2年間、継続して同じ技能実習生を雇用し続けることができるものです。

したがって、できるだけ同じ外国人に長期間企業で働いてほしいと考えるのであれば、一般管理事業の許可を得ている管理団体を選択するべきでしょう。

また、2018年秋の入管法改正によって新設された特定技能の在留資格を利用することで、技能実習終了後も引き続き働いてもらおうと考えをもたれている企業も一般管理事業の許可を得ている管理団体を選択しておくべきです。

技能実習生を受け入れるに当たって、この管理組合の選択は非常に重要になってきます。

すなわち、管理組合は現地の送出機関を通じて、日本での技能実習に興味、関心のある外国人を企業に紹介します。

したがって、管理組合がどのような送出機関と連携しているかによって、優秀な外国人が集まる可能性が変わってきます。

試験さらに、技能実習制度では、実際に企業で実習を開始する前の2か月間、管理組合の監督下で日本語教育といった座学が行われます。

この最初の教育が技能実習生にとっては、日本での最初の長期生活になるわけです。

したがって、ここでどのような研修が行われているのかといった研修のカリキュラムや研修を管理組合が自前で行っているのか、あるいは、外部の日本語学校に委託して丸投げしてしまっているのかなどをヒアリングしておくべきでしょう。

外部にほとんど委託している場合には、管理組合の職員と技能実習生との間に信頼関係が構築しづらいため、その後の失踪などにつながるリスクが生じてしまいます。

もちろん、委託している先が日本語教育に定評のある語学学校ということもありますが、少なくとも、受入れを検討している段階でしっかり管理団体を選定しなければなりません。

また、管理組合の事務所の規模(オフィスの大きさや人数)が受け入れている技能実習生の数に比して、あまりに多い場合には、それだけ監理費をかけているということですので、企業が管理組合に支払うコストが高額になってきますので、注意が必要です。

 

 

デイライト法律事務所のサービス

弁護士西村裕一画像こうした外国人の採用について、デイライト法律事務所では外国人雇用チームを立ち上げており、専門の弁護士と行政書士がチームとなって、企業の外国人雇用に関する相談や労働問題への対応を行っております。

外国人の採用については、当事務所の弁護士までまずはお気軽にご相談ください。

 





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