第三回セミナー サービス残業を回避する方法


解説する男性のイメージイラスト2011年9月26日に、リーガルサービスの一環として顧問先企業様限定で第3回労働問題セミナーを開催いたしました。第3回目のテーマは、社会的にも問題となっている残業代問題をテーマに取り上げました。残業代問題の中で、特に注目されている”サービス残業の回避”について言及しています。

 

サービス残業とは

サービス残業とは、労働基準法で定められた残業代を支払わずに従業員に残業をさせることです。従業員から未払残業代の請求を受けた場合、賃金請求権の消滅時効は2年ですから、2年間分遡及して支払う義務があります。

 

設例

製造業のイメージ画像従業員Aは、基本給30万8000円、毎月22日(1日の所定労働時間は7時間)出勤し、毎日3時間のサービス残業をしていた。Aが退職後、突然これまでの残業代を会社に請求してきた。(会社では就業規則において、所定労働時間を超える労働時間については労基法所定の時間外手当を支払うことと規定されていた。)

1時間あたりの単価:30万8000円÷154=2000円
2000円×1.25割増×3時間×22日×2年=396万円

上記の例で20人の従業員が会社に対して一斉に請求した場合、396万円×20(人)=7920万円となります。

このように、サービス残業問題は、会社が倒産しかねない大きな問題です。また、使用者がサービス残業の実態を知りながら措置を講じなかった場合、労働基準法に違法する行為として労働基準監督署(労基署)から是正勧告を言い渡されます。

解説する弁護士のイメージイラスト是正勧告とは、違法な勤務実態の是正を求める労基署からの警告書です。この警告を無視して措置を講じなかった場合、労基法違反の疑いで検察庁へ書類送検される可能性があります。最悪の場合、労基法違反で法人や代表者が罰せられる可能性もあります。

この賃金不払残業に対する是正勧告を軽視したために、上場企業が数億円~数十億円を支払ったケースもあります。

 

サービス残業への対処

サービス残業の問題に対して、使用者はどのような対応をとるべきなのでしょうか。残業対策には、労働時間そのものの削減残業代の抑制の2種類の方法が考えられます。

労働時間の削減

①残業を許可制にする

業務上必要な残業に対して残業代を支払うのは当然ですが、使用者としては、残業代を目的とした不必要な残業をしている社員の存在も気になるのではないでしょうか。

このような場合は、残業を許可制にし、使用者の許可がなければ残業ができないようにすることが有効だと思われます。

具体的には以下のような手続きを行います。

ⅰ)残業が必要だと考えた場合、所定の用紙に残業時間・業務の内容等を記入して直属の上司に申請させる。
この時点で、明らかに不必要と思われる残業については、残業許可を出さない。

ⅱ)残業後、時間外勤務時間数を上司に申告させ、本当に必要な残業であったのか上司が判断し、承認を行う。
この手続を定着させる上で重要なことは、残業は上司の許可がなければできないというルールを社内で周知・徹底し、申請なしの残業を黙認しないことです。

以上の手続を的確に運用すれば、本当に必要な残業だけを従業員が行うようになるので、労働時間そのものの抑制、ならびにサービス残業の抑制に大きな効果が期待できます。また、副次的効果として、正規の勤務時間における業務効率の向上も期待できます。

 

②ノー残業デーを設ける

すでに多くの企業が実践しているかもしれませんが、1週間のうち1日(例えば毎週水曜日)をノー残業デーとして、一切残業を認めない日を作ることも有効です。その場合、会社や事業所に鍵をかけて閉めてしまいましょう。労働時間の抑制にも効果があります。

 

③がんばるタイムを設ける

一定時間は、私語や電話、不要なオフィス内の歩き回りを一切禁止する「がんばるタイム」を設けることも効果的であると思われます。取引先にも理解を求め、その時間帯の来客や電話などはなるべく遠慮してもらうなどして、この時間帯は徹底して個々の業務に集中させます。

 

残業代を抑制する

残業代そのものを直接抑制する方法としては、以下のようなものが考えられます。

①変形労働時間制の導入

②残業代を月額賃金の中に含ませる(定額残業制)

③事業場外のみなし労働時間制の導入

④裁量労働制(専門業務型・企画業務型)の導入

⑤振替休日の利用

⑥在宅勤務によるみなし労働時間制


 


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