受動喫煙防止対策の推進が事業者の義務に ~改正労働安全衛生法~


今年6月施行された改正労働安全衛生法は、「受動喫煙※防止対策の推進」が盛り込まれています。企業実務への影響が考えられるため、ここでは、この改正内容及び行政通達等についてご紹介します。

※受動喫煙:室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいいます。

今回の受動喫煙防止対策に関する改正の要点は次のとおりです。

●受動喫煙を防止するため、事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずることを事業者の努力義務とする。

●受動喫煙防止対策に取り組む事業者に対し、国は、受動喫煙の防止のための設備の設置の促進等の必要な援助に努めるものとする。

●受動喫煙防止措置の努力義務

019905.jpg労働者の健康の保持増進の観点から、事業者は、労働者の受動喫煙を防止するため、当該事業者及び事業場の実情に応じ、適切な措置を講ずるよう努めるものとされました。

これについて、行政通達は、「具体的には、事業者において、当該事業者及び事業場の実情を把握・分析し、その結果等を踏まえ、実施することが可能な労働者の受動喫煙の防止のための措置のうち、最も効果的なものを講ずるよう努めるもの」とされています。

以下、細部事項について、通達の中身をご紹介します。

 

「事業者及び事業場の実情」について

労働者の受動喫煙を防止するための措置を講ずるに当たって考慮する 「事業者及び事業場の実情」としては、例えば、以下のようなものがあります。

喫煙所のイメージ画像・特に配慮すべき労働者の有無(例:妊娠している者、呼吸器・循環 器に疾患をもつ者、未成年者)
※特に配慮すべき労働者がいる場合は、これらの者の受動喫煙を防止するため格別の配慮を行う必要があります。

・職場の空気環境の測定結果

・事業場の施設の状況(例:事業場の施設が賃借であること、消防法等他法令による施設上の制約)

・労働者及び顧客の受動喫煙防止対策の必要性に対する理解度

・労働者及び顧客の受動喫煙防止対策に関する意見、要望

・労働者及び顧客の喫煙状況

 

 

事業者及び事業場の実情の分析及び労働者の受動喫煙を防止するための措置の決定について

職場の受動喫煙防止対策については様々な意見があるため、各立場の者から適宜意見等を聴取し、当該聴取結果その他の事業者及び事業場の実情を踏まえつつ、例えば、衛生委員会又は安全衛生委員会)において検討し、講ずる措置を決定すること。

 

 

「適切な措置」について

「適切な措置」とは、当該事業者及び事業場の実情を把握・分析した結果等を踏まえ、実施することが可能な労働者の受動喫煙の防止のための措置のうち、最も効果的なものであるが、当該措置には、施設・設備面(ハード面)の対策だけでなく、ソフト面の対策も含まれる。

ソフト面の対策としては、以下のようなものが考えられる。

・受動喫煙防止対策の担当部署の指定

・受動喫煙防止対策の推進計画の策定

・受動喫煙防止に関する教育、指導の実施等

・受動喫煙防止対策に関する周知、掲示等

 

 

国の援助

休日のイメージ画像国は、労働者の健康の保持増進に関する措置の適切かつ有効な実施を図るため、受動喫煙の防止のための設備の設置の促進その他の必要な援助に努めるものとされています。

行政通達において、国が実施している援助は以下のものがあります。

①受動喫煙防止対策助成金(喫煙室等の設置費用について費用の2分の1(最大200万円)を助成

②相談支援業務(技術的な相談に対する相談窓口、説明会の開催、講師派遣等)

③測定支援業務(デジタル粉じん計等職場環境の実態把握を行うための測定機器貸与、実地における測定の実演等)

改正法では、企業の受動喫煙防止対策の推進は、あくまで「努力義務」であり、違反しても罰則等はありません。

しかし、今後、労働者を受動喫煙から守るため、企業の自主的な取り組みが望まれるところです。国が助成金等の援助を行うのは、企業の取り組みを後押しする効果的な措置といえます。

助成金を活用したいという企業の方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

 

 

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