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ミスド店長の過労死、運営会社に約4600万円の支払を命じる判決!~津地方裁判所平成29年1月30日判決

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ドーナツチェーンの「ミスタードーナツ」の男性店長(当時50歳)が自殺したのは、長時間労働によるとして、遺族がフランチャイズ店を運営する会社に約9600万円の損害賠償を求めた訴訟で、平成29年1月30日、津地方裁判所は、業務と死亡の因果関係を認めたうえで、約4600万円の支払いを命じる判決を下しました。
 
本件においては、男性が死亡するまでの半年間の時間外労働は、月平均112時間にのぼっていたことが認定されました。そのうえで、極めて長時間の労働に従事していた旨を指摘しています。
 
一方で、会社側の弁護士は、男性店長は、勤務時間に裁量をもつ、いわゆる労働基準法上の管理監督者に該当する旨を主張して争っていました。
 
仮に、管理監督者に該当するということになれば、労働基準法41条により、労働時間に関する労基法の規定は適用されません。したがって、例えば、過失相殺を主張することにより、損害額の減額が認められる可能性があります。
 
しかしながら、労働基準法上の管理監督者に該当するといえるためには、①労務管理上の使用者との一体性、②労働時間借りを受けていないこと(出社、退社時間の拘束がないこと)、③基本給や手当面でその地位にふさわしい処遇を受けていること(例えば時間外労働賃金に相当する管理職手当を支給されていること)等を満たすことが必要です。
 
この点、裁判所は、勤務実態を考慮すると、管理監督者に相応する待遇を受けていたとは言えない旨を指摘し、この男性店長は、管理監督者にあたらない旨を判示しました。
 
このように、長時間残業を放置していて、従業員が自殺に至った場合、会社は、高額の損害賠償をしなければならなくなる可能性があります。
 
もっとも、会社の責任が認められるかは、自殺と業務との間に因果関係が認められるかによります。
では、どの程度の長時間残業であれば、因果関係が認められてしまうのでしょうか。
 
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厚労省は、過労死ラインとして、時間外労働の半年間の月平均が80時間、直前1ヶ月が100時間を目安としてもうけています。
 
これは、飽くまでも目安であり、これより短くても、因果関係を肯定した裁判例もあるので注意が必要ですが、一つの基準としておさえておくと良いでしょう。
 
上記の過労死ラインは、自分の会社には関係ないと思われている経営者の方も多いと思います。
 
しかし、例えば、午前9時から午後6時(休憩1時間)を勤務時間と定めている会社の場合、土日は完全に休日だとして、毎日午後10時までの残業で、月平均の時間外労働が80時間に達することになります。
 
これを聞くと、ドキッとする会社経営者の方もおられるのではないでしょうか。
 
このように、過労死問題は、決して非現実的なものではなく、多忙な業界の場合、起こりうる問題です。
 
しかし、労務管理をきちんとしておけば、会社を不測の損害賠償から守ることが可能です。
 
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当事務所では、各業種別に特有の問題を把握した弁護士が在籍しており、業種に応じた労務管理のアドバイスが可能です。
 
労務管理でお悩みの会社経営の方は、当事務所の弁護士までお気軽にご相談ください。






 

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